看取り介護は需要が高まっており、最近では実際に看取り介護を行う介護施設も多くなっています。しかし、病院とは違う介護施設での看取り介護には、いくつかの課題があります。
看取り介護の課題として挙げられるのが、介護職の精神的負担です。看取り介護は医療機関と連携を取りながら24時間体制で行わなければならないものです。本人や家族の希望を聞き、それに寄り添う必要があります。
普通の介護とは違い、人生の最期の時を見守るため、精神的負担はかなりのものになります。見送った後に、あれで良かったのだろうか、家族は不満を感じていないだろうかと悩む介護職も少なくありません。
この課題を解決するためには、施設がしっかりと看取り指針を整備しておくことが大切です。また、職員の悩みや負担を共有し、ケアする必要もあります。
このほか、介護業界の人材不足も大きな課題です。介護業界は慢性的な人材不足であり、特に看取り介護については人材不足という施設が全体の2割ほどあります。特に人手が少なくなる夜の時間帯は大きな課題になっており、多くの施設が人手は十分ではないと感じているのです。職員の精神的負担を軽減するためにも、夜間は看護師を配置するなどの対策が必要になるでしょう。
もう一つ、介護職員の看取りに関する知識と技術が不足していることも課題となっています。看取り介護に関する研修などに積極的に参加できるような環境作りが必要です。看取り介護のスキルアップをすることで介護職の負担軽減にもつながり、より質の良い看取り介護ができるようになります。